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This blog is Written by 佐倉透湖,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。 未完結品多し。 ネタバレ満載警報発令中~。
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 “導師の能力が使える”という点から、初期の頃“みどりっこは完全同位体”だと思い込んでいました。
 その関係で「空虚」用に作っていたプロットです。
 その後某お祭りに出そうと思い直してキー台詞を足し、しかし結局別の内容に変更しました。
 最終的に“完全同位体は赤毛とスターの2例のみ”と明かされてしまったために、完全なお蔵入りと化してしまいました。
 シンクの目を通してストーカーするオリ様、書きたかったんですけどねぇ……。







 任務の途上。船の甲板の縁。
 お友達と戯れるアリエッタが見えるギリギリの位置で、手摺にもたれるシンク。
 酷い頭痛と目眩。
(……いい加減にしてよね。ボクは、こんな所に居たくない)
【何でさ? そこにアリエッタが居るのに】
(ボクには関係ないね。あんな奴……)
【僕相手にアリエッタを侮辱するなんて、良い度胸だね? ……今からでも壊してやろうか!】
 意識をかき乱すような激痛。
 耐えきれずに、手摺にもたれるように座り込む。
 先日の検査以降、頻繁に行われるようになった接続。
 同位体の被験者とレプリカの間に出来る、フォンスロットを通じたつながり。
 学説のみで未だろくなデータさえ揃っていない研究を、彼はシンクに施したのだ。

(嫌なら、ボクを使わなければ良いだろう)
【駄目だよ。七番目が壊れたら困るんだから。その点、お前なら失敗したって構わないだろ? どうせ棄てるつもりだったんだからさぁ】
 嘲り声に歯噛みする。
 被験者イオンが死への恐怖に精神を病まないようにと宛われた、慰みものの玩具。
 棄てる予定だった、あっても無くても変わらないガラクタ。
【口答えは許さないよ、シンク。……お前は、僕のなんだから】
(……違う)
【違わないよ。お前を生かすも殺すも……僕次第だ。灼熱の海には落とし損ねたけど……そら、ちゃちな手摺一つ越えれば海がある】
 脳裏に溶岩の海の光景が浮かぶ。
(……違、う)
【こんな海のど真ん中で、移動中の船から落ちてさ。心配しなくても、僕がちゃんと押さえつけててあげるから。確実に逝けるよ】
 嗤いを含んだ囁き声。
(違う、ボクはアンタとは違う。死ぬなら、アンタ一人で死んでよね。迷惑だからさぁ!!)


 具合が悪そうなシンクに気付き、駆けてくるアリエッタ。
【アリエッタ、アリエッタぁ! 嫌だ、触れるな……お前が触れるな! アリエッタは僕のなんだからっ!!】
「く……るな、触るな!」
 アリエッタに会える悦びとシンクに触れさせたくない嫉妬に狂気に駆られる被験者。
 意識が飛びそうな程の激痛に、アリエッタの手を逃れて手摺にしがみついて立ち上がり、バランスを崩して海へ。
 気絶後にアリエッタのお友達に助けられる。

 船内、自室。気づけばベッドの上。仮面無し。
 リグレット。部屋にいるか、入ってくるか。
「具合は? ……まだ繋がっているのか」
「…………」
 頭痛は続いている。平静を装おうとしても、疲労が滲み出。
「導師、現在は任務中です。閣下の駒を減らすような真似は慎んで頂きたい」
「あまり酷いようなら閣下に……」
「要らない。……必要ない」
「そうか」
 被験者の我が儘を通している時点で、自分が試されていることは明らかだ。
 この状態でも使い物になるか、越えられるか。
「気遣ってるようなそぶり、止めてよ。どうせ閣下の意向で監視してるんだろ?」
「当然だ。他に何がある」

 ノックの音。シンクに頭まで掛布を被せて応対に出るリグレット。
 アリエッタ。軍医から船酔いの薬を貰って来たらしい。
 今は眠っているから後で飲ませようと、アリエッタを帰す。

 適当にせよ。いいな、シンク。
【可哀相に。リグレットにまで見放されて】
 クスクス笑いと共に切れる接続。
 ……違う。アイツの知らない軍隊用語。
 “適当に当たれ”は……適切、出来うる限りの全力で当たれということ。
 最善を尽くせ。
 試されているのか、それとも…………。





-----

冗談じゃないね。やるべき事はまだ腐る程あるっていうのにさ。
死にたいのなら、アンタ一人で死んでよね。迷惑なんだよ。
リグレット……。監視されてる。
しょせんは使い捨ての道具。
触れたいと思う気持ちは、本当にボク自身のものなのか、それとも……。

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 入れ足し予定の書き込み付き。
 後から修正入れる予定……だったはず。
 甲板のシーンでリグレットが遠くから監視していたり、シンクもアリエッタが気になっているやら、オリ様の情愛に当てられて勘違いしているのか分からない~やら、そんな微妙なシンク→オリイオアリ的な話になるんだったと思います。
 ヴァンが接続の件をあっさり承諾している時点で、シンクが壊れたら勿体ないな~とは思っておらず。
 まだ“代えが効くからいいや”くらいに思われてる。
 そこから参謀総長まで這い上がる、認められるだけの精神力の高さってどれ程のものなんでしょうね。

 あー、どうして完全同位体じゃなかったんだろう。
 アッシュの接続見てて、良いネタだな~と思ったのに……。
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