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This blog is Written by 佐倉透湖,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。 未完結品多し。 ネタバレ満載警報発令中~。
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「返していらっしゃい」
 それが彼女の第一声だった。



 ヴォイドコミュニティー事務所。
 奥のソファーに腰掛ける、青紫色の髪を肩上で真っ直ぐに切り揃えたベビーフェイスの女性。
 ひとり優雅にティータイムを満喫していた彼女――ガーベラは、入り口に現れた人影に視線を向けることなく開口一番そう言った。
 紫色の忍装束を纏った男は、足音もなく壁際を進みテーブル際の壁にもたれ掛かった。
 ガーベラはティーカップを置くと戸口へ一瞥をくれ、壁際の男――〈指揮者〉イオンへと視線を上げた。

「〈指揮者〉。あなた、自分で世話なんか出来ないでしょう」
「ここは、来るもの拒まずじゃあなかったのかぁい?」

 しれっと答えるイオンに、ガーベラは思わず溜息を零した。
「あんなにネズミがいるんだから、もういいでしょう?」
「ボクは猫だって好きなのさぁ」
「外猫で我慢なさい」
「いいじゃないかぁ。一匹くらい飼ってくれたってさぁ」
 まるで母親のような物言いの言葉にも、どこ吹く風のイオン。

「じゃ、ちゃんとあなたが世話するのね?」
「ゴメンだね」
「あなたね……」
「あのぉ……。猫って、ひょっとしてひょっとすると、オイラのことっすか?」

 ふたりの会話の応酬に、戸口から物珍しげに部屋の中を見回していた猫――もとい、猫目の少年が遠慮がちに割り込んだ。
「当たり前でしょう」
「他に何がいるんだぁい?」

 さも当然というようなふたりの口ぶりに、一瞬ぽかんと口を開けた少年。
「あんまりっす。オイラ、人間っすよ……」
 フォローも何にもない有様にがっくりと肩を落とす少年。
 赤毛に緑のバンダナを被り好奇心一杯の猫目を輝かせた、努力と向上心に満ちあふれた猫。もとい少年。

 彼の名は、アルマ・クーリッジ。
 『悪』という響きの格好良さに酔いしれる、勘違い少年である。
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