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This blog is Written by 佐倉透湖,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。 未完結品多し。 ネタバレ満載警報発令中~。
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 久々に幸せ四兄弟パラレル。
 前編。




 グランコクマの手前に生い茂る天然の要塞、テオルの森。
 森を警備するマルクト兵の眼をかいくぐり、こそこそと森中を探索しているのは……導師守護役達とシンク。

「居た?」
「ぜんっぜんダメだよぅ~。もぅ、イオン様ってば何処行っちゃったんだろう」
「ったく、どうしてこんな所で迷子になんかなれるのさ」
 特に深い木立を選んでヒソヒソと囁き交わすダアトの面々。
 シンクは不機嫌な顔で報告を受けながら、腕を組んで木の幹にもたれ掛かかっていた。


 先刻から秘密裏に捜索しているのは、導師イオン。
 外交担当の、下の導師イオンその人なのである。
 森の手前で小休止を取っている最中にふらりと姿を消した彼を求めて、現在森の手前と内部をくまなく捜しているというわけである。


「如何致しましょう? そろそろ公式にテオルの森を抜けないと、会談の日程が……」
「そんな事分かってるさ。むしろ分かってないのは、アンタ達の上司の方だよね」
 これと言った重要な会議でもない交流目的とした会談だというのに、護衛にわざわざシンクを指名した理由というのが今を持って解せない。
 導師守護役の人手が回らないからと聞かされていたが、嫌な予感が脳裏を過ぎった。

「それ以前にアンタの弟だけどね、シンク」
 危機的な状況に苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるシンクに、ここぞとばかりにツッコミ入れるアニス。
 彼女はニヤリとほくそ笑み、シンク本人は絶対に提案しない案を提示した。

「ここはやっぱりぃ、もしもの為の緊急措置を取るべきではないかと愚考致しま~っす」
 声自体は潜めているものの、はいは~いっと元気よく手を上げる。
 自身を映す翠の瞳に殺気が籠もったのは見なかった事にして、周囲の同僚達に同意を求めた。

「そうですね。マルクトへの礼を欠かない為にも、捜索と緊急措置を平行するのが良策かと」
「そうなると、不審に思われない為にも半数以上はグランコクマへ向かわなければいけませんね」
「アニスは傍仕えだもん、当然フォローしに行くんでしょ?」
「モッチロンっ」
「……」

 シンクが口を挟む間もなく、計画は着々と立てられていく。
 地獄絵図の未来に突き落とされる前に、泥沼な一本道を埋め立ててしまわなくては。
 今のうちに捜索を進めようとそろりと輪を抜け……ようとした時には、既に導師守護役達に取り囲まれていた。



「さ、善は急げです。参謀総長、お覚悟願います」
「嫌だっ」
「強情なさると、私共で強攻策を取らせて頂きますが。構いませんね?」
 疑問系のようでありながら既に確認の域ではない質問に、包囲の粗を探しながら鋭く応える。
「構うに決まってるだろ! こんな事してる暇があったらさっさと捜索――」
「捜索班はもう森に散ってますよ~。大人しく観念しちゃってくださ~い」
 隙のない包囲網の突破法を模索していた矢先、姿を消していたアニスが包みを手に輪の中に駆け込んできた。
「ほい、一式。じゃあ、頑張ってねぇ~~☆」
 アニスは持ってきた包みをシンクの胸に押し付けて、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべた。




後半へ……続く、ハズ。
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