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This blog is Written by 佐倉透湖,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。 未完結品多し。 ネタバレ満載警報発令中~。
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途中まで書きかけだったネタ帳のものです。
お蔵入りになった物ですが、もったいないのでこちらに。
2の虐め現場に超振動とか変なネタが入っているのがお蔵入りになった原因だったと思います。
3以降はプロットのままです。
2がおかしい以上、書き続けても意味がないので。これ。
ちなみに、手直しし2作に分けて本館に掲載したようです。

比較文献
僕を生かすも殺すも君次第
烈風のシンクで30のお題 2.被験者











 ローレライ教団居住区の最上部。
 特殊な暗号を織り込んだ譜陣でしか入れない――最高権威、導師イオンの居住区域。
 地下の神託の盾本部とは違い、柔らかな光の射し込む明るい寝室。
 時折吹き込むそよ風にレースのカーテンがふうわりと翻る。
 そんな窓際に位置するベッドの上には、少年らしい危うさを秘めた翡翠の少年が一人。
 そして、膝立ちの格好でベッドにしがみついて泣き伏している薄薔薇の髪の少女が一人。
 少女の足元には、少年から貰ったというぬいぐるみがひっそりと佇んでいた。
 穏やかな日だまりの中、クッションを背もたれに半身起こした少年が嗚咽を上げ続ける少女の頭を撫でる様は、ボクにはまるで別世界の虚構のように感じられた。
 件の二人と、部屋のほぼ中央に立っているヴァンとの間には分厚い不可視の壁がある。
 それなら、壁際に立つボクなんて認識さえもされていないに違いない。
 穏やかな日だまりに抱かれた、真白い衣装に身を包む少年と少女。
 少年の名は導師イオン。
 少女の名はアリエッタ。
 “導師イオンが死ぬ”まで後半月余り。
 そんな昼下がり――――



【誰がために贈る花】




「アリエッタ。僕の言うことが聞けないの?」
 少女の小さな嗚咽のみが支配する空間に、溜息混じりの声が流れ込んだ。
 ベッドの上から降る声に、少女がゆっくり顔を上げる。
「だぁってぇ……。アリエッタは、イオン様とはなれるの、いや……です」
 涙声の聞き取りにくい言葉を受けながら、少女の長い髪に指を差し入れ梳き下ろす。
 少女はその手に頭をすり寄せるように押し付けると、懇願の色を混ぜて重ねた。
「イオン様のそばが、いいのぉ」
「アリエッタ……」
「はなれるの、や……」
 全く話を聞こうとしないアリエッタの様子に、少年の口元から表情が消えた。
「アリエッタ」
 氷の呟き。
 べッドに落ちる日だまりさえも凍り付くような声音に、少女が息を飲む音がはっきり聞こえた。
 髪を梳いていた手で少女の頭を引き寄せ、耳元に一言。
「聞き分けが悪いと……嫌いになるよ?」
 吹雪のように。
 少女の背筋がビクリと跳ねた。細かな震えが足元から肩へ向かって這い登る。
 カーテンが揺れる微かな音さえ聞こえる空間に、少女の歯が鳴る細かな音が染み渡る。
 こちらに背を向ける少女が浮かべているのは、縋るような眼差しか。
 それとも、恐怖に引きつった表情か。
 少年は少女の顔を間近に覗き込み、満足げに口元をほころばせた。
「いいこだから、僕の言うことをちゃんとお聞き」
 慈しむように頭を撫でる手。
 わざとらしい程に優しげな声音。
「……きらいに、ならないで」
「いいこにすればね」
「また、ご本読んでくれる?」
「仕事が無い時なら、いつでも読んであげるよ。アリエッタが寝付くまで読んでてあげる。いつもみたいにね」
 優しい愛撫に少女の震えが溶けるように消えていく。
 叶うことのない口約束を、心の底から信じ込んで。
「返事は?」
「うん……、はい。イオン様が望むなら」
「……いいこだね」

 彼は少女の髪を一房掬い上げると、そっと口付けた。
 まるで誓いの証のように。

 それから暫く。ベッドに寄りかかったままなかなか泣き止まないアリエッタの頭を撫でながら、少年は話を続けた。
 彼女に縁のあるヴァン総長に身柄を預けること。
 導師の贔屓だのなんだのというやっかみは、大事なお友達の力でもって押さえつければ大丈夫だということ。
 導師の配下である主席総長の為に働くということは、引いては導師である自分の役に立つことなのだと。
 頑張って出世して、自分が自慢出来るような成果を上げてみせろと。
 少女の記憶に染み込むように。優しく、優しく。
 まるで、この部屋に差し込む日だまりの熱のように。


「ねえ、アリエッタ」
 名前を呼ばれ、少女はベッドから顔を上げた。
 日を透かす翡翠の瞳に緋色の瞳が映り込む。
「僕が好き?」
 半ば確信に満ちた、問いかけ。
「うん。アリエッタ、イオン様のこと……大好き」
 望み通りの答え。
「誰よりも?」
 欲しいのは――
「一番好き。アリエッタよりもね、大事なの」
 彼が、最も望んでやまないものは。
「ライガのママよりも?」
 ただ一つの――――
「うん」
“存在”。
「……今の言葉、決して忘れないで」
 少女の頬にそっと触れる。
 彼女の紅い瞳を映す翡翠は、これまでとは微妙に異なる輝きを帯びていた。
「僕を覚えていて。忘れないで。お前が死ぬ瞬間まで、僕のことだけを考えていて」
 紅を溶かして黒くさえ見える瞳の奥に透けるのは……。
 切望。
 渇望。
 どれ程望もうとも、触れる腕が。
 笑顔を見る目。
 声を聞く耳。
 世界を感じる心が。
 消えてしまう。

「約束、してよ」
 黒い瞳が微かに揺れる。
「今、こうしてお前の頬に触れる手を。今日という日の僕の言葉を」
 大人しく耳を傾けている少女に、彼の言葉の真意がどれ程伝わっていることだろう。
 彼女は、目の前の少年の運命さえ……知らない。
「……僕という人間を、決して忘れないって。誓って」
「はい。アリエッタは、ライガの娘の牙と爪に懸けて誓う……です」
 少女の外見にはあまりにも不釣り合いな誓いの言葉。
 しかし、少年はこの誓いを染み入るような微笑みでもって受け止めた。
「いいこだね。大好きだよ、アリエッタ」
 少女の頭を抱き寄せて、素早く口付ける。唇に刻む刹那の想い。
 言質に加えて、束縛の証さえも刻みつけた少年は、少女を立ち上がらせると離れた場所に控えていたヴァンに視線を向けた。
 ヴァンが少女の隣にたどり着いたところで、ベッドの上の少年は二人の顔を順に見上げ。
 首から提げた音叉を両手で包み込むように持ち、クッションに預けていた背を離し。
 導師の威厳に満ちた厳かな面持ちで、彼は声を張り上げた。
「では、導師イオンの名において。神託の盾騎士団導師守護役所属アリエッタ奏長を、今この時をもって導師守護役の任より外すものとする。アリエッタには響長の階級を与え、神託の盾騎士団主席総長ヴァン・グランツ揺将の指揮下に加える。……僕の勅命だ。誰にも反論させやしないさ。誰にも……ね」
 最後の呟きは、自身に言い聞かせるかのように。
「じゃあ、後は宜しくね、ヴァン。……優しくしてやって」
「御意にございます」
 頭を垂れるヴァンの隣で、床に起きっぱなしだったぬいぐるみを拾い上げる少女へと視線を移し。
「さあ、ヴァンと一緒にお行き。活躍を期待しているよ」
 眩しい程の笑顔。
「うん。またね、イオン様」
 少女も心底嬉しげな声を返すと、ヴァンに促されるまま部屋を辞した。
 導師守護役装束の白いスカートの裾が続きの部屋に消えるまで、少年は少女の背中を見つめていた。






「ねえ、そこのお前。薬が飲みたいんだ。持ってきてよ」
 扉の脇に控えていたボクが、ヴァンに続いて部屋を出ようとしたところで。
「そこの引き出しに入ってるからさ」
 部屋の主に呼び止められた。
 今、部屋に残っているのはベッドに残された翡翠の少年と……ボクだけ。
 続き部屋へと視線を向ければ、二人の姿は既にその先の廊下へと消えていた。
 このままボクも気付ぬふりして出て行ってしまおうか。
「聞こえてるだろう? 変な仮面付けてるお前だよ」
 行動を起こす前に先読みされた。逃げ切るのは……不可能らしい。
 嫌々ながらも扉を閉めて振り向けば、他人を呼び止めた張本人はこちらに背を向け窓の外を眺めていた。

 青空の下に広がる遠い風景を見つめたまま、彼は全く微動だにしない。
 やっかい事はさっさと済ませて退室してしまおう。
 そう結論付け、扉の脇にある小振りなチェストの引き出しを上から順に開けてみる。
 ハンカチや装飾品が申し訳程度に入っているだけの、隙間の多い引き出し。
 薬らしきものは入っていない。
 苛つきながらも二段目に手を掛ける。こんな場所、一秒だって居たくないのに。
「ねえ……お前、僕のレプリカだろ?」
 肩が微かに震えた。動揺に、気付かれただろうか。
 窓際から聞こえる微かな衣擦れの音。
 背中に感じる熱を持たない視線。
「僕が気付かないとでも思ってたわけ? なんとなくさ、感じるんだ。……同じ音ってやつ?」
 緩く息を吐き、務めて平穏を装って二段目を引き開ける。やけに綺麗な教典と髪留めの金具が数個転がっているだけで、薬はない。
「お前が何番目なのか知らないけどさ。残念だったね、僕になれなくてさ」
 まとわりつくような声を無視し、一番下の引き出しを開ける。……空っぽ。
 大体、常飲している類の薬がこんな所にあること自体おかしな話だ。
 わざわざ引き留めて、こんな回りくどい時間稼ぎして。……何がしたい?
「“導師のレプリカ計画”を発案したの、僕なんだ。ね、僕が憎い? 勝手な都合で造られて、棄てられてさ」
 炎獄の記憶に傾ぐ意識を無理矢理に押さえ込む。
 感情を表に出せば、それこそ奴の思う壺だ。
 目をきつく閉じ、瞼の裏を支配する紅を黒く塗り替える。
 寝たきりの人間が常備薬を置くなら、普通はベッドの傍だろう。
 例えば、ベッドの枕側にテーブル代わりに置かれているチェストの引き出し。
 アイツが寄りかかっているクッションの……傍。
 にやにやと笑いながらボクを見つめる翡翠の瞳は、嫌が上にも炎獄の記憶を呼び起こす。
 痛みが麻痺する程に拳を握りしめ感情を押し殺し、意を決してベッドサイドへと歩き出した。


「何にも喋らないんだ。ささやかな抵抗のつもり? だとしたら、随分と幼稚な発想だね」
 嘲り混じりの声はなおも続く。
 クッションに背を預けこちらを見据える瞳には、暗い侮蔑の色が滲んでいた。
「それとも喉まで焼けちゃったとか? 自分と同じ顔が火傷で爛れてたら、ちょっと嫌かな」
 下から覗き込もうとする視線をかわし、ベッドサイドに設えられたチェストに手を掛ける。
 横に並んだ引き出しの左側には、幾らかの譜石。
 小振りな石ころ達の表面には、他で見るより余程精緻な古代イスパニア語がびっしりと刻み込まれていた。
 背中側へ体を捻るのは辛いのか再び窓へと顔を向け、抜けるような青空にはあまりにも不似合いな声音で先を続ける。
「僕が直々に突き落としてやった奴は、あの溶岩の海にあっという間に沈んじゃった。レプリカは細胞分解起こすっていうから、熔けきる前に消滅しちゃったんだろうね。……でも、その方がある意味幸せかも。自分の死体を他人に弄られるなんてぞっとする」
 くっくっと押し殺した嗤い声を上げる後ろ頭をちらりと見、右側の引き出しに手を掛ける。
 ガチリという拒絶の音と手応え。鍵が掛かってる。
 自嘲が嘲りに変わった。小さな金属音に視線を向ければ、彼の手の中に鎖の付いた金属片が握られていた。
 ボクへ見せつけるように投げ上げてみせる。弧を描く鎖の先に小さな鍵。例えば、引き出しを施錠するような類の……。
 微かな音を握り込み、半身捻ってチェストの上に腕を乗せた。腕の上に頭を乗せかけ、下から顔を覗き込む。
「顔の下半分が無傷なんだから、顔から落ちた奴は除外か」
 独白は風をはらんだレースのカーテンに遮られた。窓辺へ帰る乱入者を追いかけながら、考えるように目を細め。
「……シルフ?」
 呟き。
「カマ掛けても、ダメか」
 反応を示さなかったボクへとつまらなそうな視線を投げかけ、鍵を握りしめた手を持ち上げる。
 勿体付けるように握り拳に口付けすると、ボクの方へと差し出した。
「僕の代用品がローレライっていうのも、なかなか小粋な運命の皮肉だけれどね」
 促されるままに差し出した掌に、小さな鍵が落とされた。
 人肌に温まった鍵の感触に思わず吐き気が込み上げる。
 逡巡の後鍵を握りしめた瞬間、伸びてきた手に肘を掴まれた。
 刹那、世界が揺れた。
 掴まれた肘から、痺れるような感覚が全身に伝播する。
 酷い耳鳴りとぐらつく視界に、意識さえも吹き飛びそう。
「超振動だよ。僕が押さえてるから微弱だけどね」
 声は、上から降ってきた。
 朦朧としているうちに腕を引っぱられたらしく、いつの間にか枕元の床の上に膝を付いていた。
 掴まれた肘に吊り上げられ、ベッド際に頭をもたせ掛ける格好で満足に力も入らない。
「知ってる? 同位体は疑似超振動起こしやすいとか、更に完全同位体なら被験者とコンタミネーション起こすとか。色々学説があるんだってさ」
 肘は、未だ掴まれたまま。
「なんなら、ビッグバン……だっけ? 起こせるかどうか試してみようか。完全同位体かどうかなんて知らないけど、僕と同化したらお前でも“僕”になれるよ?」
 全身を侵す痺れに身動きさえも取れない。
 もったい付けるようにゆっくりと仮面を外す細い指から逃れることさえ叶わなかった。
 翡翠の瞳に間近から覗き込まれ、反射的に視線を逸らす。
 翡翠に映る自分の顔など見なくもなかった。
「ガラクタが」
 耳朶に響く、うっとりと優越感に浸る囁きに、ギリと奥歯が軋んだ。
 もう押さえきれはしなかった。虚勢をかなぐり捨て、射殺す勢いで睨め上げた。
 憎悪にまみれた瞳を映す翡翠の瞳に宿るのは、愉悦の笑み。
「まるで人間みたいな顔するじゃないか。僕の顔でさ」
 肘を離され、崩れかける体を腕を付いてどうにか支えた。
 荒い呼吸に嫌な汗が首筋を伝い落ちる。
「……そんな顔も出来るんだ」
 低い、呟き。
「いつもにこにこ作り笑い貼り付けて、優しい言葉を掛ける尊い御方。信者の前で取り澄まして決まり切った文句を喋るだけのお人形」
 無感情な声色に、顔を上げる。
 彼は手にした仮面を見つめ。
 自分の胸に秘めるべき想いを、訥々と吐露し続けた。
「導師様に感情なんて必要ないんだよ。崇め奉るのに邪魔だからね。重要なのは僕じゃない。僕が握るユリアの預言。星の記憶。……ただの飾りなんだよ、導師なんて」
 それは、決して言葉にしてはいけない想い。






僕の死後、世界が滅びようがどうしようがそんな事知った事じゃない。
僕を殺す預言を守って生きるのが美徳なら、その大事な大事な預言通りに滅びてしまえばいいじゃないか。
ユリアの預言が繁栄をもたらしてくれるなんて戯れ言信じてる奴の気が知れない。
ユリアの預言の真実を知った時、モースがどんな顔するか。さぞや見物だろうね。
見られなくて残念だけどさ。
あと、一月足らずで僕は死ぬ。それが星の記憶。
こんな薬、飲もうが飲むまいが関係ない。
どれだけ足掻いたって、僕は死ぬって決まってるんだから。
どうせ、死期が決まってるなら、せめて痛みも苦しみもなく死ねればいいのに……。


可愛いだろ? 子犬みたいに懐いてさ。
ライガに育てられたせいかな。群れ社会の掟が染みついてて、従順で一途で決して裏切らない。
お世辞も打算も何もない。僕のために笑って僕のために泣いてくれる。
僕が死ぬと知ったなら、きっと一緒に死んでくれる。
あれは……僕のだよ。
彼女をここまで育てたのも、一番大事に想ってるのも僕。……僕だけだ。
導師イオンの座なんて代用品にくれてやるけど、あの娘はあげない。
渡さない。僕以外の“イオン”が触れていい道理は無いんだ。
あれが心から笑っていいのは、僕に対してだけ。
あれが泣いていいのは僕のためだけ。
もちろんお前にもね……あげない。


その大事な女ごと世界が滅んでも、構わないんだ……?
構わないよ。……くくっ、惜しがると思ったか?
別に僕の分まで生きて欲しいなんて思わない。
ただ、死ぬ瞬間まで僕のことだけ考えていて欲しい。
それだけだよ。

別に心中したいわけじゃない。死にたいわけじゃ無いんだ。
それでも、世界が僕を殺す。
ユリアの預言が。星の記憶が僕の死を確定する。
預言なんか、いっそ外れてしまえばいいんだ……。







深夜。
表面を綺麗に磨かれた譜石の前に、黒い人影。
アンタに手向ける最後の花だ。受け取りなよ……導師イオン。
雲が晴れる。月明かりに、白服の少女を抱いたシンクと、ラルゴ。



導師の居住区域へ通じる譜陣の前にポツリと佇む一輪挿し。
犯人は当然ながらアリエッタ。
毎日毎日飽きもせず、朝一番に摘んだ花を花瓶でも空き瓶でも構わず挿して置いていく。
導師守護役解任後、新たに彼女の日課となったその行為を、誰一人止めることはなく。
彼女が導師護衛役を解雇されてから半月足らず。
“アリエッタの大事なイオン様”は、一片の光も差さぬ闇の中で誰にも看取られることなく、預言通りに人生の幕を閉じた。
それ以後も毎日置かれるその花は、まるで――

「あーっ、アリエッタの奴またやってるぅ。んもう、当てつけかっちゅーの!」
「いいじゃありませんか。多分、彼女にそんな思惑はありませんよ。花に悪気は無いんですし、日の当たる場所に飾ってあげましょう」
「はぁ~い」

アリエッタと入れ替わりに導師護衛役に抜擢されたアニスは、悪態を付きながらも律儀に導師の寝室に生け直しているらしい。
あの、日当たりの良い寝室に。そよ風にカーテンが翻る窓際で光を浴びて。
――墓前に添える花のように。




導師護衛役の頃の白い衣装は血に汚れ。
紅の瞳が世界を映すことは二度とない。
丘の一角を掘り返すラルゴを見つめ。
土の下に現れた棺の隣に冷たい少女をそっと寝かせる。
アンタの隣に、送るよ。
アンタが愛した、紅の花をさ。
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