突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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実際見えてこない、彼の家庭環境。
夕刻、巖戸台分寮四階。
凍夜は作戦室と呼ばれているらしい重厚な造りの部屋に呼び出され、理事長と美鶴が語る“知られざる世界”の話を聞かされていた。
実感の湧かない話を聞き流し、創設者の娘と雇われ理事長ってどっちが偉いんだろうとか埒もないことを考えている。
美鶴は彼の様子には構わず、机上に置かれたジェラルミンケースの留め金を無造作に外した。
開くと同時に、凍夜の瞳はケースの中に囚われた白銀の銃器に吸い寄せられた。
「どうだろう。我々と共に、戦ってもらえないだろうか?」
疼く。
心が疼く。
あの冷たい凶器の輝きに、暗い衝動が目を醒ます。
ソウ。
アレハ、殻ヲ突キ破ルタメノモノ。
解放して。
酔いしれたい。
あの日のような快感を。
快楽を――
思わず手を伸ばしたくなる心を、僅かに残った理性が押さえつけた。
きっと否とは言えないけれど、その前にハッキリさせておかなければいけないことが……ある。
それは凍夜にとって何よりも大切なこと。
場合によっては命にも関わるような重要なこと。
「あの、いくつか質問したいんですけど」
先程のやりとりからして、理事長の方に権限の重きを置いているのだと判断した凍夜は、一人掛けのソファーにゆったりと身を沈める幾月へ声を掛けた。
「ん? 何かな。僕に答えられる範囲なら、何でも聞こうじゃないか。遠慮無く言ってごらん」
物腰柔らかな理事長は、にこやかな笑みを絶やすことなく質問の先を促した。
凍夜はゆっくり息を吐いて気を落ち着かせ、幾月を真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「その……課外活動部? なんですけど」
「うん」
「福利厚生とか労災とか、要するに保障関係どうなってます?」
「……うん?」
いきなり現実的且つ具体的な話を振られ、幾月は曖昧な笑みを貼り付けたまま凍り付いた。
三年の二人組も怪訝な顔で目配せしている。
凍夜は三人を一瞥すると理事長へ視線を戻し、真面目な表情を崩すことなく先を続けた。
「理事長は僕の履歴ご存知かと思いますけど、それなりに複雑で……。バイトの許可申請も出してあるんです」
「ああ、そのようだね。君の入院中に、確かに承認印を押したよ」
真剣に見つめ合う二人を、ゆかりは不安げな表情で見比べていた。
凍夜の家庭環境については大まかに聞かされていたけれど、イマイチ結論が見えてこない。
彼は、協力してくれるのか。それとも……。
先輩に囲まれて不安な日々を過ごしてきたゆかりは、密かに彼の選択を心待ちにしていた。
「結論から言うと、バイト出来ないと日々の食費も稼げないんですよ。だから、部活とか言ってる余裕無くて。世界が大変だって言う話も分からないでもないけど、明日の事より今日の夕飯の方が切実でしょう?」
「う~~ん……」
「後期の学費も僕が負担する段取りになってるんで。この歳で路頭に迷いたくもないし。だから……」
「要するに、こちらに手を貸す見返りに幾らか補填して欲しいと。そういうことだね」
「自分からだと無心してるみたいで言いにくかったんですけど、まあそう言う事です」
真面目な表情で見つめ合う、理事長と一生徒。
この後長々と話し合った末、学校関連の費用については理事長が補填するということで話が付いた……らしい。
他にも細かく詰めたようだが、宿題のために中座したゆかりには詳しい話は分からなかった。
夕刻、巖戸台分寮四階。
凍夜は作戦室と呼ばれているらしい重厚な造りの部屋に呼び出され、理事長と美鶴が語る“知られざる世界”の話を聞かされていた。
実感の湧かない話を聞き流し、創設者の娘と雇われ理事長ってどっちが偉いんだろうとか埒もないことを考えている。
美鶴は彼の様子には構わず、机上に置かれたジェラルミンケースの留め金を無造作に外した。
開くと同時に、凍夜の瞳はケースの中に囚われた白銀の銃器に吸い寄せられた。
「どうだろう。我々と共に、戦ってもらえないだろうか?」
疼く。
心が疼く。
あの冷たい凶器の輝きに、暗い衝動が目を醒ます。
ソウ。
アレハ、殻ヲ突キ破ルタメノモノ。
解放して。
酔いしれたい。
あの日のような快感を。
快楽を――
思わず手を伸ばしたくなる心を、僅かに残った理性が押さえつけた。
きっと否とは言えないけれど、その前にハッキリさせておかなければいけないことが……ある。
それは凍夜にとって何よりも大切なこと。
場合によっては命にも関わるような重要なこと。
「あの、いくつか質問したいんですけど」
先程のやりとりからして、理事長の方に権限の重きを置いているのだと判断した凍夜は、一人掛けのソファーにゆったりと身を沈める幾月へ声を掛けた。
「ん? 何かな。僕に答えられる範囲なら、何でも聞こうじゃないか。遠慮無く言ってごらん」
物腰柔らかな理事長は、にこやかな笑みを絶やすことなく質問の先を促した。
凍夜はゆっくり息を吐いて気を落ち着かせ、幾月を真っ直ぐに見つめて口を開いた。
「その……課外活動部? なんですけど」
「うん」
「福利厚生とか労災とか、要するに保障関係どうなってます?」
「……うん?」
いきなり現実的且つ具体的な話を振られ、幾月は曖昧な笑みを貼り付けたまま凍り付いた。
三年の二人組も怪訝な顔で目配せしている。
凍夜は三人を一瞥すると理事長へ視線を戻し、真面目な表情を崩すことなく先を続けた。
「理事長は僕の履歴ご存知かと思いますけど、それなりに複雑で……。バイトの許可申請も出してあるんです」
「ああ、そのようだね。君の入院中に、確かに承認印を押したよ」
真剣に見つめ合う二人を、ゆかりは不安げな表情で見比べていた。
凍夜の家庭環境については大まかに聞かされていたけれど、イマイチ結論が見えてこない。
彼は、協力してくれるのか。それとも……。
先輩に囲まれて不安な日々を過ごしてきたゆかりは、密かに彼の選択を心待ちにしていた。
「結論から言うと、バイト出来ないと日々の食費も稼げないんですよ。だから、部活とか言ってる余裕無くて。世界が大変だって言う話も分からないでもないけど、明日の事より今日の夕飯の方が切実でしょう?」
「う~~ん……」
「後期の学費も僕が負担する段取りになってるんで。この歳で路頭に迷いたくもないし。だから……」
「要するに、こちらに手を貸す見返りに幾らか補填して欲しいと。そういうことだね」
「自分からだと無心してるみたいで言いにくかったんですけど、まあそう言う事です」
真面目な表情で見つめ合う、理事長と一生徒。
この後長々と話し合った末、学校関連の費用については理事長が補填するということで話が付いた……らしい。
他にも細かく詰めたようだが、宿題のために中座したゆかりには詳しい話は分からなかった。
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