突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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アルマの失意を余所に、本人の意志抜きでの話し合いは続く。
「自称人間らしいけれど。あなた人間嫌いじゃなかったかしら」
「人間になりたがる猫なんてステキじゃないかぁい?」
「いや、なりたがってるんでなくて、生まれた時から人間っす」
半ば呆れ顔でお茶のお代わりを注ぐガーベラ。
覆面で表情が読めず、本気なのか冗談なのか全く分からないイオン。
入り口に突っ立ったまま、一応ツッコミを入れてみるアルマ。
話し合いは思いっきり平行線をたどっていた。
「ネズミを捕らない猫なら、ボクの可愛いネズミ達を怖がらせる心配もないしね」
「それで、キミは今まで猫を飼わなかったのね」
「そうさぁ。彼らはボクの親友だからね」
ティーカップに口を付けつつ上目遣いにアルマを見るガーベラ。
優雅な手つきでカップを置くと、口元にイタズラっぽい笑みを浮かべてみせた。
「〈指揮者〉はこう言っているけれど。ねえ、キミはネズミが捕れるのかしら」
「……はぁ?」
ふたりで組んでバカにしてるんだろうか、とアルマは思った。
だって、あまりにも話の展開がおかしすぎる。
そもそもあの時、宝石店の壁に張り付いていた忍者風の兄さんに、確かにこう言ったのだ。
『オイラをカッコイイ悪党にして下さいっ』と。
そして、彼を見下ろす忍装束の男――〈指揮者〉ことイオンは彼をしげしげと見つめた後こう言った。
『まあいいんじゃないかぁい。問題は飼ってもらえるかどうかだけどねぇ』
(……あれ?)
「ほらね。ネズミと一緒でも大丈夫さぁ」
「ネズミも捕れない猫なんて、ただ可愛いだけのお飾りじゃない」
なおもアルマ本人を無視して続く話し合いの中、彼はイオンとの出会いの情景を必死に思い起こしていた。
『飼ってもらえるかどうかだけどねぇ』
あの言葉を聞いた時、アルマは“子飼い”とか“雇う”の蔑称とかそういった意味合いだと勝手に解釈していたのだが。
(もしかして、ほんっとーに言葉通りだったっすか?)
イオンの顔をちらりと見てみると、覆面から覗く顔の上半分は未だ無表情を保っている。
ガーベラの反論を前に眉ひとつ動かさない男を見ながら、アルマは今更ながらに後悔した。
(……マジっす。あの目はきっとマジっすよ。オイラの夢は、夢半ばどころか飛び立つ瞬間儚く散るんすか?)
戸口の木枠にしがみつきながら、声を掛ける人選を思いっきりミスしたことを、彼は今更ながらに後悔した。
だーーっと思い切り涙したい心境だった。
「自称人間らしいけれど。あなた人間嫌いじゃなかったかしら」
「人間になりたがる猫なんてステキじゃないかぁい?」
「いや、なりたがってるんでなくて、生まれた時から人間っす」
半ば呆れ顔でお茶のお代わりを注ぐガーベラ。
覆面で表情が読めず、本気なのか冗談なのか全く分からないイオン。
入り口に突っ立ったまま、一応ツッコミを入れてみるアルマ。
話し合いは思いっきり平行線をたどっていた。
「ネズミを捕らない猫なら、ボクの可愛いネズミ達を怖がらせる心配もないしね」
「それで、キミは今まで猫を飼わなかったのね」
「そうさぁ。彼らはボクの親友だからね」
ティーカップに口を付けつつ上目遣いにアルマを見るガーベラ。
優雅な手つきでカップを置くと、口元にイタズラっぽい笑みを浮かべてみせた。
「〈指揮者〉はこう言っているけれど。ねえ、キミはネズミが捕れるのかしら」
「……はぁ?」
ふたりで組んでバカにしてるんだろうか、とアルマは思った。
だって、あまりにも話の展開がおかしすぎる。
そもそもあの時、宝石店の壁に張り付いていた忍者風の兄さんに、確かにこう言ったのだ。
『オイラをカッコイイ悪党にして下さいっ』と。
そして、彼を見下ろす忍装束の男――〈指揮者〉ことイオンは彼をしげしげと見つめた後こう言った。
『まあいいんじゃないかぁい。問題は飼ってもらえるかどうかだけどねぇ』
(……あれ?)
「ほらね。ネズミと一緒でも大丈夫さぁ」
「ネズミも捕れない猫なんて、ただ可愛いだけのお飾りじゃない」
なおもアルマ本人を無視して続く話し合いの中、彼はイオンとの出会いの情景を必死に思い起こしていた。
『飼ってもらえるかどうかだけどねぇ』
あの言葉を聞いた時、アルマは“子飼い”とか“雇う”の蔑称とかそういった意味合いだと勝手に解釈していたのだが。
(もしかして、ほんっとーに言葉通りだったっすか?)
イオンの顔をちらりと見てみると、覆面から覗く顔の上半分は未だ無表情を保っている。
ガーベラの反論を前に眉ひとつ動かさない男を見ながら、アルマは今更ながらに後悔した。
(……マジっす。あの目はきっとマジっすよ。オイラの夢は、夢半ばどころか飛び立つ瞬間儚く散るんすか?)
戸口の木枠にしがみつきながら、声を掛ける人選を思いっきりミスしたことを、彼は今更ながらに後悔した。
だーーっと思い切り涙したい心境だった。
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