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This blog is Written by 佐倉透湖,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。 未完結品多し。 ネタバレ満載警報発令中~。
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伊織の台詞って、オレと俺と両方あるような……。
他の人と被るから、カナで統一~。




「悪ぃ、体力の限界だ……。オレ、帰るわ」

 試験週間の息抜きにと、二年生全員一致でやってきたタルタロス。
 解禁になっていた第二エリアを適当に探索し、ムドとかムドとかムドに怖い目に遭わされてアイテムも底を突いてきた頃、伊織は休憩に戻ってきたエントランスで唐突にそう告げた。

「マジ? 順平ったらだらしないよ。まともに勉強頑張ってるわけでもないのに、どうして一番に音を上げてるワケ?」
「るせー、オレだってイロイロあんだよ」
 本日特にムドの掛かりが良かった彼は、ゆかりの説教に苛々とそっぽを向いた。
 ゆかりは自分では埒が明かないと判断したのか、消耗品のチェックをしている凍夜へと話を振った。


「ねえ、リーダーからも言ってやってよ。流石に二人でタルタロス探索は無理だし」
 ゆかりの声に顔を上げた凍夜は、微かに首を傾げて伊織を見上げた。

「伊織」
「な……何だよ」
 静かな声音に、やや身構えた視線が返る。

「あの日?」
「……ンなワケねーだろ」
「うん。僕も言ってみただけ」
 場の雰囲気を和らげるつもりだったようだが、現実はそう甘くない。
 更にきつくなった視線を前に、釣られた方が幸せだったと思うけどなぁ、などと考えながら凍夜は本題を切り出した。


「今すぐ帰るの? 寮まで」
「寮以外のドコに帰んだよ。先に言っとくけど、この部活強制参加じゃねーんだからな。そこんトコ、忘れんなよ」
「本当に、今から寮まで?」
「しつけーよっ!」

 苛立ちを押さえきれずにがなり立てる伊織の気勢を涼しい顔で受け流し、凍夜は軽く息を付いた。
 ゆかりは少しばかり離れた場所で、不安げに見守るばかり。
 凍夜は奥の金時計をちらりと振り返り、先を続けた。


「今、モノレール止まってるけど」
「……へ?」


 間の抜けた声が、だだっ広いエントランスに木霊する。
 凍夜は、金時計を肩越しに指し示した。
「影時間。だから、電化製品止まってるけど」
「……」
「言質、取ったからね?」
「…………」
「じゃ、折角だからテベルでレア狩りでもやろうか。アレなら二人でも危なくないし」
「え、う、うん」

 二の句が継げない伊織を残し、ゆかりの元へ戻る凍夜。
 伊織は、久しぶりに階段上の扉を開ける凍夜の背中を見上げたまま、芸術味の足りない石像になり果てていた。
 今まで階段横から遠巻きに一部始終を眺めていた美鶴は、機器の調整をしつつ伊織へと顔を向けた。

「伊織。言質というのは、拘束力の強い口約束のようなものだ。今から訂正を入れては男が廃るな」
「……一つ勉強になったッス」

 ガックリと肩を落とし溜息と共にそれだけ呟いた伊織へ微笑を向け、会話は終わったとばかりに機器へ視線を落とす美鶴。
「それは良かった。では、気を付けて帰るがいい。試験勉強に励めよ」



 美鶴の言葉を背にふらりと力無く歩き出した伊織は、タルタロスを出たところで真円に近い月を振り仰ぎ。
「…………歩いて、帰るかなぁ」
 流石に駅で鉢合わせるわけにもいかないと腹を括り、ムーンライトブリッジ方面へ歩き出した。



 翌日、彼は見事に風邪をひいたという。
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クリックすると喋りますよ?
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中身:アビス SS,P3 SS,オリイラスト。
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自動生成ツールの破天荒アドベンチャー?
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