突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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6から続きまくりの看病モノ。
一応、決着を見るのか……?
そして、お昼。
イオン(長兄)の私室。
「……なんでお前達まで居るわけ?」
「「え?」」
不機嫌な長兄の声に振り向いたのは、小鉢に雑炊を取り分けていた三男と、その様子を物欲しそうに見つめていた末弟の二人組。
シンクは憮然とした表情で、黙々とお茶の用意を進めている。
下のイオンは息を吹きかけて雑炊を冷ましながら、緩く小首を傾げてみせた。
「何って、御見舞いですよ。見えませんか?」
「そ~そ~。うえちゃんとご飯食べに来たんだよう。はい、あ~ん」
「僕“と”じゃなくて、僕“の”ご飯の間違いだろ。お前の施しなんか死んでも嫌だね」
横合いから小鉢にスプーンを突っ込んで長男へと差し出した末弟に、辛辣な言葉を浴びせかける。
意味を理解しているのかどうか怪しい数秒の沈黙。
かくりと首を傾けたフローリアンは、心底心配そうな顔を長兄へ向けた。
「うえちゃん、ご飯食べないのぉ? ちょっとでも食べないと、お薬飲めないんだよ?」
「そうですよ。折角シンクが作ってくれたんですから」
「……単にコイツ付きの導師守護役が席空きだったから、仕方なく、作ってやっただけだよ」
“仕方なく”に殊更力を込めるシンクの背中をちらりと見、長兄は目前の二人に手を付きだした。
「自分で食べるから、さっさと寄越しなよ」
病人のクセに態度の大きい長兄を前に、下二人は顔を見合わせ。
「「はい、あ~ん」」
今度は二人揃ってスプーンを差し出した。
「ばっかじゃないの!? 小鉢の方を寄越しなって言ったんだよっ」
「馬鹿とか言うな、馬鹿」
一眠りして大分元気になったらしい長兄の罵りに、静かにツッコミ入れるシンク。
小鍋の横にマグカップを置きながら、長兄を冷めた瞳で見下ろした。
「一々世話焼いてやる必要無いよね。随分と元気そうだし?」
「……何さ。ちょこっと下のに強く言ったからって睨まないでよね。お前ってば何かあれば下の下のって、どうしてそんなに下のが良いのさ?」
「感染避けの薬湯らしいから、ちゃんと飲んでおきなよね」
「ありがとうございます」
「ありがとー」
長兄の言葉を無視して下二人の世話を焼くシンクに、槍の切っ先のような視線が突き刺さる。
「無視してんじゃないよ、シンク。僕と下のと、何がそんなに違うわけ?」
「性格。というか、中身」
面と向かってキッパリと言い返され、長兄は思わず黙り込んでしまった。
下二人から小鉢とスプーンを取り上げたシンクは、長兄の様子にはお構いなしに先を続ける。
その背後で下の二人が目配せしている事には気付かない。
「ほら、さっさと自分で食べて薬飲んでよね。こっちだって仕事があるんだから何時までも……って、わぁ!」
「「はい、あ~ん」」
小鉢片手に説教垂れているシンクに背後から襲いかかった下二人とシンクの焦った声に顔を上げた長兄は、“何故かシンクが差し出しているスプーン”にあっさりと食い付いた。
「何でこの状況で食べるのさ!!」
無言で見上げる長兄の視界には、フローリアンに小鉢を持った方の腕にしがみつかれ、スプーンを握った右手を三男に押さえ込まれて真っ赤になったシンクが映っていた。
「次行きましょうか?」
「うん」
「上ちゃんいいなぁ、僕も欲しい~。シンクシンクぅ、あ~んっ」
「ああもう、いい加減離してよっ。アンタも、自分で食べるって言ったじゃないか!」
「シンク、あんまり暴れると零れますよ? それに病人には優しくしないと」
横合いからの優しい微笑と物欲しげな視線、正面からの勝ち誇った笑みに囲まれ、シンクはガックリと肩を落とした。
普段長兄の世話焼きをさせて貰えない下二人は、これ幸いと“シンクを使って”看病ごっこを開始した。
「「はい、あ~ん」」
「あ~ん」
「……あ~んじゃないよ、もう」
これ以上ない程恥ずかしい状況に追い込まれ赤面したままのシンクをよそに、この状況は小鉢の中身が無くなるまで続いたという。
「お代わり注いだら、シンクが逃げてしまいますね。どうしますか?」
「……」
「まあ、しょうがないよね。面白かったから、いいや」
「……」
やっと下二人から解放され、シンクはふらりと立ち上がった。
小鉢とスプーンを小鍋の傍に置き、薬の確認をしている間にも他三人の話は続く。
「うえちゃん、僕も貰っていい?」
「ダメだよ。今日のは全部僕が食べるんだから」
「え~っ!? うえちゃん、いっつも半分残すのにぃ?」
「シンクのご飯、美味しいですものね。……シンク、何処へ行くんですか?」
いつの間にか戸口へと歩き出していたシンクの背へ、下のイオンの声が掛かる。
仕方なく振り向いたシンクは、微妙に視線を逸らして溜息付いた。
「仕事、いい加減行きたいんだよ。薬、そこにあるからちゃんと……」
「ヤダ。シンクが見張ってないと飲み忘れるよ」
「そうですね。シンクが居ないと、うっかり忘れるかも知れません」
「忘れちゃったら大変だね、シンク~」
「…………」
どうして此処で息が合うんだろう。
そうシンクは考えた。
四つ子故なのか、それとも……。
「「「ねえ、シンク」」」
「……馬鹿」
結局、その日一日誰一人まともに仕事はこなせなかった。
ほほえましい団欒と取るか、職務怠慢と取るか。
それは、彼等の心次第。
一応、決着を見るのか……?
そして、お昼。
イオン(長兄)の私室。
「……なんでお前達まで居るわけ?」
「「え?」」
不機嫌な長兄の声に振り向いたのは、小鉢に雑炊を取り分けていた三男と、その様子を物欲しそうに見つめていた末弟の二人組。
シンクは憮然とした表情で、黙々とお茶の用意を進めている。
下のイオンは息を吹きかけて雑炊を冷ましながら、緩く小首を傾げてみせた。
「何って、御見舞いですよ。見えませんか?」
「そ~そ~。うえちゃんとご飯食べに来たんだよう。はい、あ~ん」
「僕“と”じゃなくて、僕“の”ご飯の間違いだろ。お前の施しなんか死んでも嫌だね」
横合いから小鉢にスプーンを突っ込んで長男へと差し出した末弟に、辛辣な言葉を浴びせかける。
意味を理解しているのかどうか怪しい数秒の沈黙。
かくりと首を傾けたフローリアンは、心底心配そうな顔を長兄へ向けた。
「うえちゃん、ご飯食べないのぉ? ちょっとでも食べないと、お薬飲めないんだよ?」
「そうですよ。折角シンクが作ってくれたんですから」
「……単にコイツ付きの導師守護役が席空きだったから、仕方なく、作ってやっただけだよ」
“仕方なく”に殊更力を込めるシンクの背中をちらりと見、長兄は目前の二人に手を付きだした。
「自分で食べるから、さっさと寄越しなよ」
病人のクセに態度の大きい長兄を前に、下二人は顔を見合わせ。
「「はい、あ~ん」」
今度は二人揃ってスプーンを差し出した。
「ばっかじゃないの!? 小鉢の方を寄越しなって言ったんだよっ」
「馬鹿とか言うな、馬鹿」
一眠りして大分元気になったらしい長兄の罵りに、静かにツッコミ入れるシンク。
小鍋の横にマグカップを置きながら、長兄を冷めた瞳で見下ろした。
「一々世話焼いてやる必要無いよね。随分と元気そうだし?」
「……何さ。ちょこっと下のに強く言ったからって睨まないでよね。お前ってば何かあれば下の下のって、どうしてそんなに下のが良いのさ?」
「感染避けの薬湯らしいから、ちゃんと飲んでおきなよね」
「ありがとうございます」
「ありがとー」
長兄の言葉を無視して下二人の世話を焼くシンクに、槍の切っ先のような視線が突き刺さる。
「無視してんじゃないよ、シンク。僕と下のと、何がそんなに違うわけ?」
「性格。というか、中身」
面と向かってキッパリと言い返され、長兄は思わず黙り込んでしまった。
下二人から小鉢とスプーンを取り上げたシンクは、長兄の様子にはお構いなしに先を続ける。
その背後で下の二人が目配せしている事には気付かない。
「ほら、さっさと自分で食べて薬飲んでよね。こっちだって仕事があるんだから何時までも……って、わぁ!」
「「はい、あ~ん」」
小鉢片手に説教垂れているシンクに背後から襲いかかった下二人とシンクの焦った声に顔を上げた長兄は、“何故かシンクが差し出しているスプーン”にあっさりと食い付いた。
「何でこの状況で食べるのさ!!」
無言で見上げる長兄の視界には、フローリアンに小鉢を持った方の腕にしがみつかれ、スプーンを握った右手を三男に押さえ込まれて真っ赤になったシンクが映っていた。
「次行きましょうか?」
「うん」
「上ちゃんいいなぁ、僕も欲しい~。シンクシンクぅ、あ~んっ」
「ああもう、いい加減離してよっ。アンタも、自分で食べるって言ったじゃないか!」
「シンク、あんまり暴れると零れますよ? それに病人には優しくしないと」
横合いからの優しい微笑と物欲しげな視線、正面からの勝ち誇った笑みに囲まれ、シンクはガックリと肩を落とした。
普段長兄の世話焼きをさせて貰えない下二人は、これ幸いと“シンクを使って”看病ごっこを開始した。
「「はい、あ~ん」」
「あ~ん」
「……あ~んじゃないよ、もう」
これ以上ない程恥ずかしい状況に追い込まれ赤面したままのシンクをよそに、この状況は小鉢の中身が無くなるまで続いたという。
「お代わり注いだら、シンクが逃げてしまいますね。どうしますか?」
「……」
「まあ、しょうがないよね。面白かったから、いいや」
「……」
やっと下二人から解放され、シンクはふらりと立ち上がった。
小鉢とスプーンを小鍋の傍に置き、薬の確認をしている間にも他三人の話は続く。
「うえちゃん、僕も貰っていい?」
「ダメだよ。今日のは全部僕が食べるんだから」
「え~っ!? うえちゃん、いっつも半分残すのにぃ?」
「シンクのご飯、美味しいですものね。……シンク、何処へ行くんですか?」
いつの間にか戸口へと歩き出していたシンクの背へ、下のイオンの声が掛かる。
仕方なく振り向いたシンクは、微妙に視線を逸らして溜息付いた。
「仕事、いい加減行きたいんだよ。薬、そこにあるからちゃんと……」
「ヤダ。シンクが見張ってないと飲み忘れるよ」
「そうですね。シンクが居ないと、うっかり忘れるかも知れません」
「忘れちゃったら大変だね、シンク~」
「…………」
どうして此処で息が合うんだろう。
そうシンクは考えた。
四つ子故なのか、それとも……。
「「「ねえ、シンク」」」
「……馬鹿」
結局、その日一日誰一人まともに仕事はこなせなかった。
ほほえましい団欒と取るか、職務怠慢と取るか。
それは、彼等の心次第。
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