突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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7の後日談?
明るい日差しが差し込む室内に、苦しげな咳が響く。
ローレライ教団居住区最上層、導師イオン――上のイオンの寝室。
シンクの看病騒動から数日後。
彼は、案の定というか都合上というか……完膚無きまでに感染っていた。
「全く、どうしてこんな暑い地方で、しかも殆ど部屋に籠もってて風邪なんか引くのさ。既に一種の才能だよね」
「う……るさい、よ…………」
タオルを変えながら辛辣な言葉を浴びせるシンクへ、精一杯の反論を返す。
一応あの後予防薬代わりに風邪薬を飲んではいたのだが、完全に防ぐまでには至らなかった模様。
それでも先日のシンク程こじれなかった辺り、全く効果がなかった訳でも無さそうだが。
「……アリエッタは?」
「今朝から寝込んでるってさ。あれだけしがみついてれば当然だよね。アニスが世話焼いてるらしいし、アリエッタの方がアンタよりよっぽど丈夫だから問題無いんじゃないの?」
「う゛~~……」
次から次へと飛び出す嫌味にむくれるばかり。
誰のせいだよ、と言いたいところだが、うっかりそんな事言えば先日の件がバレてしまう。
三男のフリをしたこととか、あんな恥ずかしい問いかけしちゃった事とか。
「昼には薬飲ませに来るから、ちゃんと寝てなよね」
素っ気なく言い置いて席を立つシンクの背中を見つめ、掠れた声を上げる。
「しん、くぅ……」
途中咳を堪えたせいか、微妙に末弟っぽいアクセントになってしまった呼び掛けに、シンクはビクリと肩を振るわせ振り向いた。
その表情は、まるで超常現象でも垣間見たかの様に引きつっている。
「上の……、ウィルスがとうとう頭に……」
「バッカ、言ってんじゃ無い……よ」
苦しい息の元、必死に弁解しているというのに、シンクは遠巻きに眺めるばかりで近づいてこようとしない。
「お昼の、こと」
「薬なら何が何でも飲ませるからね。うちの薬剤師の恐ろしさ、アンタだって知ってるだろ?」
「ちっが、ご飯のこと……だよ」
個人的に嫌いな薬剤師の話は、ひとまず置いておくとして。
自分の我を通すべく、イオンは尚も言葉を継いだ。
「ご飯、シンクが作って、よ」
「はぁ? どうしてボクが」
「……っるさいよ。シンクが作ったのじゃなきゃ、食べない……からね」
言うだけ言って寝返りを打った背中に返るのは、呆れ気味の溜息。
「勝手にすれば? こじらせて辛い目見るのは、アンタであってボクじゃない」
「シンク……だって、寝込んでたクセにぃ」
「そりゃボクだって馬鹿じゃ無いんだから風邪ぐらい引くけど。でも、アンタみたいに一度引いたら一週間なんて事は無いから」
「むぅ~~…………」
何から何まで正論過ぎて返す言葉も見つからない。
シンクはイオンの背中へひょいと肩を竦めてみせるとさっさと扉へ歩き出した。
扉を引き明け、振り返る。
「じゃあね。せいぜいお大事に」
扉が閉まる音と共に静寂に満たされた室内で、イオンは思い切りふてくされていた。
(何さ、シンクの馬鹿。この間のアレ、やっぱり黙秘ってただけだったんじゃないの? 照れ隠しなのかと思った僕が馬鹿みたいじゃないか)
この後も心の中で愚痴を零し続けたイオンは、いつの間にか深い眠りに堕ちていた。
この後、結局手作りのお昼を持参した次男と見舞いに付いてきた三男、見舞いと称してお相伴にあずかりに来た末弟と、兄弟四人勢揃いする羽目になるのはもうちょこっと先のお話。
……続く? あれ?
明るい日差しが差し込む室内に、苦しげな咳が響く。
ローレライ教団居住区最上層、導師イオン――上のイオンの寝室。
シンクの看病騒動から数日後。
彼は、案の定というか都合上というか……完膚無きまでに感染っていた。
「全く、どうしてこんな暑い地方で、しかも殆ど部屋に籠もってて風邪なんか引くのさ。既に一種の才能だよね」
「う……るさい、よ…………」
タオルを変えながら辛辣な言葉を浴びせるシンクへ、精一杯の反論を返す。
一応あの後予防薬代わりに風邪薬を飲んではいたのだが、完全に防ぐまでには至らなかった模様。
それでも先日のシンク程こじれなかった辺り、全く効果がなかった訳でも無さそうだが。
「……アリエッタは?」
「今朝から寝込んでるってさ。あれだけしがみついてれば当然だよね。アニスが世話焼いてるらしいし、アリエッタの方がアンタよりよっぽど丈夫だから問題無いんじゃないの?」
「う゛~~……」
次から次へと飛び出す嫌味にむくれるばかり。
誰のせいだよ、と言いたいところだが、うっかりそんな事言えば先日の件がバレてしまう。
三男のフリをしたこととか、あんな恥ずかしい問いかけしちゃった事とか。
「昼には薬飲ませに来るから、ちゃんと寝てなよね」
素っ気なく言い置いて席を立つシンクの背中を見つめ、掠れた声を上げる。
「しん、くぅ……」
途中咳を堪えたせいか、微妙に末弟っぽいアクセントになってしまった呼び掛けに、シンクはビクリと肩を振るわせ振り向いた。
その表情は、まるで超常現象でも垣間見たかの様に引きつっている。
「上の……、ウィルスがとうとう頭に……」
「バッカ、言ってんじゃ無い……よ」
苦しい息の元、必死に弁解しているというのに、シンクは遠巻きに眺めるばかりで近づいてこようとしない。
「お昼の、こと」
「薬なら何が何でも飲ませるからね。うちの薬剤師の恐ろしさ、アンタだって知ってるだろ?」
「ちっが、ご飯のこと……だよ」
個人的に嫌いな薬剤師の話は、ひとまず置いておくとして。
自分の我を通すべく、イオンは尚も言葉を継いだ。
「ご飯、シンクが作って、よ」
「はぁ? どうしてボクが」
「……っるさいよ。シンクが作ったのじゃなきゃ、食べない……からね」
言うだけ言って寝返りを打った背中に返るのは、呆れ気味の溜息。
「勝手にすれば? こじらせて辛い目見るのは、アンタであってボクじゃない」
「シンク……だって、寝込んでたクセにぃ」
「そりゃボクだって馬鹿じゃ無いんだから風邪ぐらい引くけど。でも、アンタみたいに一度引いたら一週間なんて事は無いから」
「むぅ~~…………」
何から何まで正論過ぎて返す言葉も見つからない。
シンクはイオンの背中へひょいと肩を竦めてみせるとさっさと扉へ歩き出した。
扉を引き明け、振り返る。
「じゃあね。せいぜいお大事に」
扉が閉まる音と共に静寂に満たされた室内で、イオンは思い切りふてくされていた。
(何さ、シンクの馬鹿。この間のアレ、やっぱり黙秘ってただけだったんじゃないの? 照れ隠しなのかと思った僕が馬鹿みたいじゃないか)
この後も心の中で愚痴を零し続けたイオンは、いつの間にか深い眠りに堕ちていた。
この後、結局手作りのお昼を持参した次男と見舞いに付いてきた三男、見舞いと称してお相伴にあずかりに来た末弟と、兄弟四人勢揃いする羽目になるのはもうちょこっと先のお話。
……続く? あれ?
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