突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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折角のイベントなので番外で。
というか、初天田&コロマル。
「とりっくおあ、とりーと~っ!」
「子供だましですよね」
片や、テーブルクロスを頭から被ったカリスマ少年。
対するは、玄関を開けて二秒と待たずに容赦ない言葉の槍捌きを喰らわせた小学生。
シーツオバケ……もといテーブルクロスオバケ凍夜は、何事もなかったかのように扉を閉める天田少年の背中に悲痛な(?)抗議の声を上げた。
「うわイタイ! イタイよ天田っ!! 僕の小鳥のように可憐な心がズッキズキ痛むよ、天田」
「鳥は鳥でも夢人さんのは朱雀でしょう? 小鳥ですらありませんよ」
凍夜の苦情をあっさりと流し、ラウンジへ移動する。
「ワンワンッ」
「ただいま。……コロも、ハロウィン仕様なんだ」
「ワンッ」
足元に駆け寄ってきたコロマルの姿を見下ろし、天田は少々呆れ気味に呟いた。
漆黒のドッグスーツに身を包み天田の前にちょんと座ったコロマルは、しっぽと一緒に蝙蝠の羽根もパタパタ揺らし、大変ご満悦な様子である。
「デビルウィーング! 僕のお手製なんだ。ベベにも写真あげる約束したんだよ。ね? コロマル」
「ワンッ」
コロマルは嬉しそうに答え、見せびらかすようにクルクルと回ってみせた。
凍夜はテーブルクロスを畳んでカウンターに置くと、傍に用意していたウィッチハットを取り上げた。
傾き気味に頭に乗せて微笑する様は、恐ろしいほど似合っている。
「天田もやらない? 折角のお祭りなんだから盛り上がろうよ」
「あいにくですけど、僕、仏教徒なんです」
「奇遇だねぇ。僕も無神論者なんだ」
そのまま、暫し無言で見つめ合う。
天田がどう切り返そうかと苦心している最中、凍夜ははっと腕時計を確認するとカウンターの手提げ袋を手に取った。
「そろそろ行かないと時間前に着かないや。ごめん天田、僕ちょっと出てくるからコロマルの散歩頼んでいい?」
「それは構いませんけど」
「今日、僕と会うついでにお父さん処に泊まる予定なんだって。そんなに遅くならないうちに送ってくるから」
そう言いながらイヤホンを着ける凍夜の指には、子供っぽいビーズ細工の指輪が填っている。
“父親”と“お兄ちゃん”の優先順序が逆だろうという事よりも、まだ続いていたという事実の方に呆然としている間に、凍夜は扉の外に立っていた。
「じゃね、Happy Halloween!」
帽子を軽く持ち上げてお決まりの挨拶を告げると、彼は軽やかに駆けていった。
「……神社でハロウィンパーティー、ですか」
一人残された天田は、珍しくはしゃいでいた凍夜の様子に苦笑すると、ランドセルをソファーに投げ出し玄関カウンターに歩み寄った。
置きっぱなしにしているテーブルクロスを抱え、飲み物でも漁ろうかとキッチンへ向かう。
キッチンに入ってすぐ目に入ったのは、テーブルの上に置かれたウィッチハット。
その帽子に立て掛けてあるカードには、流麗な文字で『Trick or treat!』と書いてある。
「ワンッ、ワンッ」
吠え声に振り返ると、コロマルはキッチンの戸口に行儀良く座り込んで急かすように鳴いていた。
「これって子供のセリフだっけ」
「ワンワンッ、ワン!」
天田はコロマルの声を背に受け、じっとカードを見つめて。
「Trick or …… treat」
少々照れ気味に呟いて両手で帽子を持ち上げた。
帽子の下には、ぼっちゃんカボチャをくり抜いたパンプキンヘッドとカボチャのカップケーキ。
パンプキンヘッド――推定ジャックランタンがくわえていた手紙には、『天田へ。舞子ちゃん用に作った分だからちょっと甘いけど、良かったら食べて下さい。サイフォンにブラックコーヒー入ってるんで、一緒にどうぞ。凍夜』と書いてある。
「……敵わないなぁ、もう」
テーブルクロスも、ウィッチハットも、去り際の一言までも、全てこの仕掛けの鍵だったわけだ。
天田はウィッチハットを浅く被り、コロマルへ振り向いた。
「コロ、散歩行く前にコーヒーだけ飲んでいい? 冷めたらもったいないからさ」
「ワンッ」
コーヒーの苦みさえも甘く感じる……この一時は、密やかなハロウィン・パーティー。
というか、初天田&コロマル。
「とりっくおあ、とりーと~っ!」
「子供だましですよね」
片や、テーブルクロスを頭から被ったカリスマ少年。
対するは、玄関を開けて二秒と待たずに容赦ない言葉の槍捌きを喰らわせた小学生。
シーツオバケ……もといテーブルクロスオバケ凍夜は、何事もなかったかのように扉を閉める天田少年の背中に悲痛な(?)抗議の声を上げた。
「うわイタイ! イタイよ天田っ!! 僕の小鳥のように可憐な心がズッキズキ痛むよ、天田」
「鳥は鳥でも夢人さんのは朱雀でしょう? 小鳥ですらありませんよ」
凍夜の苦情をあっさりと流し、ラウンジへ移動する。
「ワンワンッ」
「ただいま。……コロも、ハロウィン仕様なんだ」
「ワンッ」
足元に駆け寄ってきたコロマルの姿を見下ろし、天田は少々呆れ気味に呟いた。
漆黒のドッグスーツに身を包み天田の前にちょんと座ったコロマルは、しっぽと一緒に蝙蝠の羽根もパタパタ揺らし、大変ご満悦な様子である。
「デビルウィーング! 僕のお手製なんだ。ベベにも写真あげる約束したんだよ。ね? コロマル」
「ワンッ」
コロマルは嬉しそうに答え、見せびらかすようにクルクルと回ってみせた。
凍夜はテーブルクロスを畳んでカウンターに置くと、傍に用意していたウィッチハットを取り上げた。
傾き気味に頭に乗せて微笑する様は、恐ろしいほど似合っている。
「天田もやらない? 折角のお祭りなんだから盛り上がろうよ」
「あいにくですけど、僕、仏教徒なんです」
「奇遇だねぇ。僕も無神論者なんだ」
そのまま、暫し無言で見つめ合う。
天田がどう切り返そうかと苦心している最中、凍夜ははっと腕時計を確認するとカウンターの手提げ袋を手に取った。
「そろそろ行かないと時間前に着かないや。ごめん天田、僕ちょっと出てくるからコロマルの散歩頼んでいい?」
「それは構いませんけど」
「今日、僕と会うついでにお父さん処に泊まる予定なんだって。そんなに遅くならないうちに送ってくるから」
そう言いながらイヤホンを着ける凍夜の指には、子供っぽいビーズ細工の指輪が填っている。
“父親”と“お兄ちゃん”の優先順序が逆だろうという事よりも、まだ続いていたという事実の方に呆然としている間に、凍夜は扉の外に立っていた。
「じゃね、Happy Halloween!」
帽子を軽く持ち上げてお決まりの挨拶を告げると、彼は軽やかに駆けていった。
「……神社でハロウィンパーティー、ですか」
一人残された天田は、珍しくはしゃいでいた凍夜の様子に苦笑すると、ランドセルをソファーに投げ出し玄関カウンターに歩み寄った。
置きっぱなしにしているテーブルクロスを抱え、飲み物でも漁ろうかとキッチンへ向かう。
キッチンに入ってすぐ目に入ったのは、テーブルの上に置かれたウィッチハット。
その帽子に立て掛けてあるカードには、流麗な文字で『Trick or treat!』と書いてある。
「ワンッ、ワンッ」
吠え声に振り返ると、コロマルはキッチンの戸口に行儀良く座り込んで急かすように鳴いていた。
「これって子供のセリフだっけ」
「ワンワンッ、ワン!」
天田はコロマルの声を背に受け、じっとカードを見つめて。
「Trick or …… treat」
少々照れ気味に呟いて両手で帽子を持ち上げた。
帽子の下には、ぼっちゃんカボチャをくり抜いたパンプキンヘッドとカボチャのカップケーキ。
パンプキンヘッド――推定ジャックランタンがくわえていた手紙には、『天田へ。舞子ちゃん用に作った分だからちょっと甘いけど、良かったら食べて下さい。サイフォンにブラックコーヒー入ってるんで、一緒にどうぞ。凍夜』と書いてある。
「……敵わないなぁ、もう」
テーブルクロスも、ウィッチハットも、去り際の一言までも、全てこの仕掛けの鍵だったわけだ。
天田はウィッチハットを浅く被り、コロマルへ振り向いた。
「コロ、散歩行く前にコーヒーだけ飲んでいい? 冷めたらもったいないからさ」
「ワンッ」
コーヒーの苦みさえも甘く感じる……この一時は、密やかなハロウィン・パーティー。
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ブルー・クレセンティア様
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