突発やプレイ日記を書き逃げする雑記帳。
未完結品多し。
ネタバレ満載警報発令中~。
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『ぼくらはうたをうたわない』の一縷~預言間。
捏造エンドモノの番外です。
本編をご存知でない方は要注意~。
「シンク、開けてよ。聞こえてるんでしょ? シンク」
鍵が掛けられた扉越しに、アニスはシンクを呼び続けていた。
ここはかつてシンク自身の執務室兼自室であった場所。
現在は、彼が軟禁されている場所。
長い長い監禁生活の中でやっと現実へと顔を上げた彼は、しかし未だに頑なな態度を崩しはしなかった。
アニスとて、いきなり変われるとは思っていない。
むしろルークの変わりぶりの方がどうかしていたとさえ、彼女には思えたのだから。
しかし、いつまでもこの状況に甘んじているわけにはいかなかった。
いつかはここを出て、教団を立て直すという自分の志に助力して貰わねばならないのだ。
故に、こんな些細な事で足止めを食っている暇は、無い。
「シンクってば、開けてっ! つーかとっとと開けろっ!!」
呼び掛けるだけでは進展しないと判断したアニスは、あっさりと体裁をかなぐり捨てた。
扉を乱雑に叩きながら大声を上げる。
こういう粗野な行為をシンクが嫌うという事まで、アニスは当然計算に入れていた。
「開けてっつってんでしょお! さっさと開けないとトクナガでぶち破っちゃうからねっ!!」
ダンダンダンと扉が軋みそうな勢いで蹴りつける。
「別に誰にも見られないんだから、いいでしょお!」
「……いやだ」
微かな返答に、アニスは慌てて扉に張り付いた。
固唾を飲んで続く言葉を待ち受ける。
「絶対に、嫌だ。……さっさと返してよ」
「ダメだよ。いつまでも続けられる訳ないでしょ? さっさと慣れてよね」
消え入りそうな声に、囁くように言葉を返す。
シンクが精神的に参っている事はアニスだって理解はしている。
それでも……。
「僕の買い置きなんだから、使うのは僕の勝手だろ。返してよ」
シンクの声に内心の苛立ちが滲み出る。
それでも、ここで譲歩するわけには……いかない。
「ダメだってば。それで無くなったらどうするの? 私買ってあげないからね?」
「……どうとでも稼ぐからいいよ。元よりアンタに頼る気なんか無いね。だから――」
「いいわけ無いでしょ! あんな高いメーカー品ガンガン使われたらたまんないっつーのっ! いいじゃん、フローリアンと同じ髪型で」
「死んでもヤダねっ!!」
シンクは吐き捨てるように吠えると、洗面台の鏡に映る自分を見つめた。
映っているのは、自室に買い置いていたはずの整髪料を全てアニスに取り上げられ、みっともなく下りたままの自分の髪。
下りていても、イオンやフローリアンとは異なる髪型ではある。
それでも、やはりいつもの髪型でないと不安でならない。
いくら今回の件で自分のコンプレックスが軽減されたとはいえ……。
「嫌なモノは嫌だ!」
「ワガママぁ!!」
「アンタに言われたくないね、僕の給料で買った分なんだからアンタにどうこうする権利なんか無いんだよ。さっさと返しなよねっ」
「ダメだったら! 教団は赤字だわ、アンタやフローリアンの食費はかさむわ、こっちだって大変なんだからねっ。あれはぜーんぶフリマでお金に換えてやるんだからぁ!!」
「他人の資産を何だと思ってるのさ! 最低だよ、アンタ!!」
この後も、出てこないとご飯抜きだの、だったら餓死してやるからいいだのと低次元の言い争いが続いたとかどうとか。
最終的には『部屋から出る時だけ使用可』という話に落ち着いた……らしい。
捏造エンドモノの番外です。
本編をご存知でない方は要注意~。
「シンク、開けてよ。聞こえてるんでしょ? シンク」
鍵が掛けられた扉越しに、アニスはシンクを呼び続けていた。
ここはかつてシンク自身の執務室兼自室であった場所。
現在は、彼が軟禁されている場所。
長い長い監禁生活の中でやっと現実へと顔を上げた彼は、しかし未だに頑なな態度を崩しはしなかった。
アニスとて、いきなり変われるとは思っていない。
むしろルークの変わりぶりの方がどうかしていたとさえ、彼女には思えたのだから。
しかし、いつまでもこの状況に甘んじているわけにはいかなかった。
いつかはここを出て、教団を立て直すという自分の志に助力して貰わねばならないのだ。
故に、こんな些細な事で足止めを食っている暇は、無い。
「シンクってば、開けてっ! つーかとっとと開けろっ!!」
呼び掛けるだけでは進展しないと判断したアニスは、あっさりと体裁をかなぐり捨てた。
扉を乱雑に叩きながら大声を上げる。
こういう粗野な行為をシンクが嫌うという事まで、アニスは当然計算に入れていた。
「開けてっつってんでしょお! さっさと開けないとトクナガでぶち破っちゃうからねっ!!」
ダンダンダンと扉が軋みそうな勢いで蹴りつける。
「別に誰にも見られないんだから、いいでしょお!」
「……いやだ」
微かな返答に、アニスは慌てて扉に張り付いた。
固唾を飲んで続く言葉を待ち受ける。
「絶対に、嫌だ。……さっさと返してよ」
「ダメだよ。いつまでも続けられる訳ないでしょ? さっさと慣れてよね」
消え入りそうな声に、囁くように言葉を返す。
シンクが精神的に参っている事はアニスだって理解はしている。
それでも……。
「僕の買い置きなんだから、使うのは僕の勝手だろ。返してよ」
シンクの声に内心の苛立ちが滲み出る。
それでも、ここで譲歩するわけには……いかない。
「ダメだってば。それで無くなったらどうするの? 私買ってあげないからね?」
「……どうとでも稼ぐからいいよ。元よりアンタに頼る気なんか無いね。だから――」
「いいわけ無いでしょ! あんな高いメーカー品ガンガン使われたらたまんないっつーのっ! いいじゃん、フローリアンと同じ髪型で」
「死んでもヤダねっ!!」
シンクは吐き捨てるように吠えると、洗面台の鏡に映る自分を見つめた。
映っているのは、自室に買い置いていたはずの整髪料を全てアニスに取り上げられ、みっともなく下りたままの自分の髪。
下りていても、イオンやフローリアンとは異なる髪型ではある。
それでも、やはりいつもの髪型でないと不安でならない。
いくら今回の件で自分のコンプレックスが軽減されたとはいえ……。
「嫌なモノは嫌だ!」
「ワガママぁ!!」
「アンタに言われたくないね、僕の給料で買った分なんだからアンタにどうこうする権利なんか無いんだよ。さっさと返しなよねっ」
「ダメだったら! 教団は赤字だわ、アンタやフローリアンの食費はかさむわ、こっちだって大変なんだからねっ。あれはぜーんぶフリマでお金に換えてやるんだからぁ!!」
「他人の資産を何だと思ってるのさ! 最低だよ、アンタ!!」
この後も、出てこないとご飯抜きだの、だったら餓死してやるからいいだのと低次元の言い争いが続いたとかどうとか。
最終的には『部屋から出る時だけ使用可』という話に落ち着いた……らしい。
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